玉姫様 :: 戸川 純
by 戸川 純 1984年作品
1984年某日、ラジオから流れてきたある曲が当時ヘビーメタル一辺倒だった私の耳に一石を投じた。その曲の名は「隣の印度人」。その歌詞とメロディ、アレンジの説得力に完全に圧倒されてしまった。
そして続いて流れてきた「蛹化の女」の超絶的な迫力と切なさに大感動し、早速翌日にはこの曲が収録された戸川純のデビューアルバム「玉姫様」をレンタルした。当時はCDではなくアナログLPだった。更に高校生だったのでLPを購入するお金の持ち合わせがなかったというのも、ちょっと物悲しく切ない思い出だ。
先行シングルだった「玉姫様」はTVでもオンエアされており、ランドセルを背負ったり、トンボの羽をつけたりした戸川純のビジュアルのインパクトと、細野晴臣によるYMO直系のテクノサウンド、女性の生理現象を取り上げた歌詞に強烈なインパクトがあった。しかし、私にとっては「強烈なインパクト」止まりでその後の音楽活動に影響を与えるまでには至らなかった。「隣のインド人」をたまたまラジオで聴いたことが、私の戸川純というアーティストへの評価を一気に高めその後も追いかけるに至ったことを思えば、偶然の出会いというのも非常に大きく重要なものだ。とにかく「隣の印度人」と「蛹化の女」の2曲を聴くためだけでもこのアルバムを入手する価値はあると思う。
ライブではおなじみだった「パンク蛹化の女」も是非聴いてほしい。玉姫様も現在廃盤のようなので合わせて戸川純 TWIN VERY BEST COLLECTIONが入手しやすい音源だが。
本サイトでも取り上げた「椎名林檎」ともよく比較されるが「椎名林檎≒戸川純」「椎名林檎≒中島みゆき」となると「戸川純≒中島みゆき」ともなり得てしまい、ちょっとピンとこないのでここではあえて椎名、戸川の比較には触れないでおきたい。 *(写真は"戸川純 TWIN VERY BEST COLLECTION"の物です。)
そして続いて流れてきた「蛹化の女」の超絶的な迫力と切なさに大感動し、早速翌日にはこの曲が収録された戸川純のデビューアルバム「玉姫様」をレンタルした。当時はCDではなくアナログLPだった。更に高校生だったのでLPを購入するお金の持ち合わせがなかったというのも、ちょっと物悲しく切ない思い出だ。
先行シングルだった「玉姫様」はTVでもオンエアされており、ランドセルを背負ったり、トンボの羽をつけたりした戸川純のビジュアルのインパクトと、細野晴臣によるYMO直系のテクノサウンド、女性の生理現象を取り上げた歌詞に強烈なインパクトがあった。しかし、私にとっては「強烈なインパクト」止まりでその後の音楽活動に影響を与えるまでには至らなかった。「隣のインド人」をたまたまラジオで聴いたことが、私の戸川純というアーティストへの評価を一気に高めその後も追いかけるに至ったことを思えば、偶然の出会いというのも非常に大きく重要なものだ。とにかく「隣の印度人」と「蛹化の女」の2曲を聴くためだけでもこのアルバムを入手する価値はあると思う。
ライブではおなじみだった「パンク蛹化の女」も是非聴いてほしい。玉姫様も現在廃盤のようなので合わせて戸川純 TWIN VERY BEST COLLECTIONが入手しやすい音源だが。
本サイトでも取り上げた「椎名林檎」ともよく比較されるが「椎名林檎≒戸川純」「椎名林檎≒中島みゆき」となると「戸川純≒中島みゆき」ともなり得てしまい、ちょっとピンとこないのでここではあえて椎名、戸川の比較には触れないでおきたい。 *(写真は"戸川純 TWIN VERY BEST COLLECTION"の物です。)
玉姫様
楽曲紹介怒涛の恋愛
戸川純在籍の「ゲルニカ」は後追いで聞いたのだが、この曲は「ゲルニカ」で演ってもおかしくない。小曲だがある意味では最も戸川純らしい曲。
諦念プシガンガ
文芸っぽい歌詞表現は確かに椎名林檎も影響を受けているのかも知れない。「我、一介の肉塊なり」というのは究極のM表現なのだろうか。
昆虫軍
さえきけんぞう氏の楽曲。ノリがよくロックな曲であるが。このアルバムの裏テーマでもある「昆虫」を正面から取り上げた曲でもある。
憂悶の戯画
いきなり「鳥のような蛾が飛ぶ」と詠う昆虫シリーズの曲が続く。イタリア童謡のような曲も完全に自分の世界としてしまう戸川純というアーティストの表現力には恐れ入る。
隣の印度人
イントロから、1,2コーラスへの歌詞のつながり、そしてサビで爆発する歌唱ということのない完璧な曲。さえき氏の楽曲だが、戸川純の七色声と歌唱能力が無ければ完成し得なかった楽曲だと思う。必聴。
玉姫様
「一月に一度座敷牢の奥で玉姫様の発作がおきる」という女性しか歌えないが、なかなか歌えない歌詞を声高らかに歌う戸川純は素晴らしい。楽曲はYMOの曲といっても何の違和感もない当時最先端の音。
森の人々
これもクラシックというか童謡風の曲だが、実は一度聴くとなかなか耳から離れない癖のある曲である。
踊れない
後の「レーダーマン」などに連なる、非人間楽曲。もちろんこれはわかりやすい比喩表現であり、歌詞はパンクかな。
蛹化の女
作曲は、というより原曲は超有名なパッヘルベルの「カノン」。実はまともに「カノン」を聴いたのはこの「蛹化の女」が最初だったので、カノンの冒頭は蛹化の女同様のピチカートでないと違和感があったりする。この後、今日に至るまで色々なパターンのカノン音源を集めるだけでは飽き足らず、自分でアレンジ・演奏してギター版カノンを創ったりするほどのカノンマニアになってしまった。この歌詞で「蝉の蛹(さなぎ)」という表現が出てくる。確かに地中を掘れば蝉の蛹を発見することも出来るかも知れないが、それが自分の変わり果てた姿というのはカフカの「変身」にも通ずる文芸ロックのテイストが感じられる。そして、「昆虫」、「鳥のような蛾」、「蝉の蛹」と続けて本アルバムの昆虫物語を完結させる感動的な名曲。
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