このアルバムでもカバーしている"キスしてほしい(トゥー・トゥー・トゥー)"や最新シングル"イソブラボー"等、Blue Hearts関連の楽曲との絡みもあり、甲本ヒトロ・Blue Heartsチルドレンの一人かと思っていたのだが、実はシンディ・ローパーからの影響が大きく、Rock Fujiyamaでは見事に歌いこなしていた。
2ndアルバムとなる"Do the Rock"ではその名の通りRock色が強いアルバムになっている。
M3."ポラリスピケトラ"、M4."Hey You!!"やM7."Fly High"などはHard Popの名曲だと思うし、M5."君の中のム・ゲ・ン・ダ・イ"も良くできたポップソングだ。
ファンの間では1stアルバムの評価が高いが、この2ndアルバムでは楽曲・歌唱・演奏と全てがレベルアップし、捨て曲無しというレベルの高いアルバムで、現時点での最高傑作だと思う。
とはいえ、あえて苦言を呈しておきたい部分もある。
結構密度が高いアルバムなのであえてM12."キスしてほしい(トゥー・トゥー・トゥー)"を入れる必要があったかは疑問だ。(私自身はこの曲のコピーをしていたこともあり大好きな曲だが)。
また、M7."Fly High"やM10."Tomorrow"は楽曲は素晴らしいのだが、「頑張ってる私を褒めてあげよう」的な歌詞が多いところは改善要望点として挙げておきたい。
実は19878-89年当たりのVitor時代におけるAction!のアルバムはあまり好きではなかった。バンド初期のAmerican Kiss等のハードポップ路線が薄れ、泥臭いブルースロックと洗練されたJPOPという局面が目立ち、楽しいパーティロックの色が無くなってしまっていたからだ。
しかし、このアルバムは初期のハードポップと後期のJPOPがうまくかみ合いつつ、アレンジはかなりメタリックだったりして非常に完成度の高い作品となった。バンドの最高傑作アルバムといっても過言は無いかもしれない。
全曲捨て曲なし、特にジャニーズが歌ってもはまりそうなM2.”愛という名の幻 ”や、いきなり2バス連打のスラッシュメタルアレンジながら曲のタイトルは"ピンクのハートは壊れそう"という80年代アイドル風だったりするM4.での洒落っ気、ライブで大合唱になりそうなM12."天使が踊り出す"等、稀代のメロディメーカー、ミュージシャンである高橋ヨシロウのセンスが大爆発している。
オリジナルメンバーは、ヨシロウとベースギター担当の大谷ケーイチのみなのであるが、ギター・ドラムには実力者を揃えておりバンドとしてのまとまりも揺ぎ無いものがある。ちなみに、高橋ヨシロウはこのバンドではギター・ヴォーカル担当であるが、NOVELA(ノヴェラ)ではベースを担当している。
ケーイチとはベーシスト同士で気が合うので、長続きしているのだろうか。
Action!の楽曲は歌謡曲テイストも強いので、先述の通りジャニーズ・アイドルが歌っても違和感はないと思う。
なので、今回は通常の楽曲紹介ではなくアクション!楽曲の内ジャニーズ向けの楽曲とカバーするアーティストをまとめてみた。(あくまで私個人のセレクションです)
あらためて聴いた「さくらんぼ」の出来は素晴らしい。
その後多くのヒット曲を排出し、バラード「プラネタリウム」も人気があるのだが、私的には「さくらんぼ」を超える曲はまだ無い。
ある雑誌のインタビューで大塚愛は「自分の声は嫌い。黒人のような太い声で歌いたい。」と語っている。そして「曲は自分の声に合わせて作っている。」と続く。
若いのに計算高いな、という印象を持ったのだが、なるほど「さくらんぼ」は正に計算の結晶だ。
ブレイクに入る「イェィ」という合いの手や、ラストの「もう一回」等よくもここまで露骨に狙えるなぁ、と感心してしまう。
「私がオバさんになっても」で有名な、江口洋介夫人の森高千里が「非実力派宣言」というアルバムを出したときのことを思い出してしまった。
このブログではシングル曲をレビューするのは初めてだ。なぜアルバムをレビューしていないかというと、実は初めてAppleミュージックストア で曲を買ったからだったりもする。
ダークネスというバンド名は知っていた。2003年に英国、そして日本でも話題になったことも知っていた。
そしてこのアルバム"One Way Ticket to Hell...And Back "が高い評価を受けていたことも。
独特のファルセット・ヴォーカルは確かに好き嫌いが分かれるであろうが、イギリスで100万枚以上も売れたという事実が、この歌声が大いに受け入れられたということを物語っている。個人的にはそれ程気になる歌声ではなかった。
このアルバムのプロデューサーは、かつてのQueenを手がけたロイ・トーマス・ベイカーである。
その影響は如実に現れ、ガッツなロックアルバム色が強かったファーストアルバムに比べると、70年代英国ロックの香り高いアルバムに仕上がっている。特にM-9"English Country Garden"はフレディ・マーキューリーの歌声が聴こえてきそうなQueen風味たっぷりの名曲だ。
そもそもQueenもBeatlesからの影響が大きく、ハードロック全開のファーストアルバムに続く、セカンドアルバムは、Queenの最高傑作との評価も高い壮麗なアルバムだった。
The Darknessの変化(進化)もQueenのそれに近く、またイギリス人の琴線に触れる英国ロックの伝統芸を脈々と受け継いで進化したサウンドは単なるロックバンドでは収まらない、バンドのスケールを示している。
男声のファルセットが嫌いな人以外には絶対おすすめ。
そこで、いつかはゲスト出演するのではないかと勘ぐっているヘビメタバンド「陰陽座」を取り上げてみたい。
バンドメンバー全員が猫にまつわる芸名を持ち(狩姦:「かるかん」はちょっと強引過ぎるが)、妖怪メタルなるジャンルでヒットチャートにも顔を出している人気バンドだ。
歌詞カードは全て縦書きであったり、和服以外での写真は公開していない等その徹底振りはかつての「聖飢魔�U」を髣髴とさせる一見色物系バンドでもある。
しかし聖飢魔�Uがそうであったように、音楽はオーセンティックかつ分かりやすいヘビーメタルであり、そのメロディは高く評価されている。
特筆すべきは女性ヴォーカル「黒猫」の歌唱力だ。確信的なのかどうかはわからないが、かつての浜田麻里そっくりの声と歌唱法は、絶滅に瀕して久しい女性ヘビーメタルボーカリストの王道である。
敢えて付け加えておくが、黒猫の唄は文句無く上手い。
バンドのリーダーであり、メインライターでもあるベーシストの瞬火もボーカルを兼ねている。この人の唄も決して下手ではなく、プロのボーカリストとして十分水準に達している。
ゲイリー・ムーアやジョン・サイクスなど歌うギタリスト(の場合はベースだが)等、十分唄も上手いのだがそれ以上に楽器が上手いアーティストは、どうしても唄が弱く感じてしまう傾向がある。
瞬火の場合も稀代の女性ボーカリスト「黒猫」を擁しながら、何故唄う必要があるのか?、と感じてしまうのが弱点といえば弱点だ。
まぁ、ガンマ・レイのカイ・ハンセンよりは遥かにましだが。
また、個人的にはギターサウンドにもう少し切れ味が欲しい。毎アルバムの最後を飾る、J-POP風ダンスナンバーについては否定的な評論もあるのだが、私的にはもろ手を挙げて大歓迎だ。実はこのPOP曲は毎回一番楽しみにしていたりする。
「ヘビメタさん」9月で終了かなぁ?ゲームも発売されちゃうしね。。。
BURRN!よ、スポンサーになってこの番組続けてくれ!
惜しむらくは、曲の出来不出来の差が大きいのと、歌詞が稚拙なことである。
ギターとヴォーカルに以外は全て打ち込みで創られているというのが、B'zと同じ編成であるということだ。当人はあくまでもバンドをイメージして作曲したのであるが、メンバーが集まらない等の諸事情により、このように一人で作詞、作曲、歌、ギター、アレンジ、打ち込みをこなすハメとなった。
状況としてはB'Zというよりは、ロビー・ヴァレンタインに近い。
一応、作詞・幻魔 麗、作曲/編曲・Tetsushi、そしてプロデューサーはこの文章を書いている山崎哲詩である。
一部MP3化した楽曲を載せておきますので、是非一度聴いてやって下さい。
サウンド的に新しいものがあるかと言われれば、そうでもないのだが普遍的なロックボーカルアルバムとしては良く出来ているし、木村カエラというキャラクターを最大限に生かした商品としても見事なCDアルバムだと思う。
M1,M2と非常に私好みなキャッチーなロックで叩き込み、M3のバラードでボーカリストとしての力量を見せるなど、構成も良いと思うし、最後まで飽きさせず一気に聴かせる良いアルバムだ。
ジャケ写は「女の肌は露出するためにある」という名言で有名なYUKIがボーカルを務めた初期のJudy and Maryっぽくて楽しい。
久々に2ndアルバムが待ち遠しいアーティストが登場した。
その時期に学生時代を過ごし、少なからずバンド活動を体験した人々にとって、この「もう一回、バンドやろうぜ!」というタイトルは見事にストライクゾーンを捕らえたかと思う。
タイトルだけで、大体の選曲が想像できるというすばらしい企画物であり、30歳から35歳の人だけでなく、29歳や36歳の人でも十分楽しめるとおもう。
だが、やはり「30-35」というのは企画者の拘りあってのものだと思うし、36-40はバブル経験者かつジャパメタ経験者でもあるので... 26-30はやはりJ-POP世代だろうし。
非常に楽しめるCDなのであるが、個人的にはブルーハーツが入っていないのは納得出来ない。ジュンスカ、アンジー、おまけにカステラというブルーハーツ・フォロワーに加えてTMネットワークや、ハウンド・ドッグというバンドブームとは別の形で存在していたメジャーアーティストまで入っているというのに...
アルバム・ラストの「ヘチマ・ライダー」は最高だ。個人的には現在のところ2005年ベスト・チューン。
はじめに、現在のインドポップスを簡単に説明すると、インドの伝統音楽(メロディ)と西洋音楽のアレンジ(楽器)の融合体といえる。
韓国、タイ、中国(香港)、シンガポール等アジア諸国のポップスは、私が聞いた限り日本のそれに近い。言い換えればあくまで西洋音楽のフォーマットに、各国固有のメロディがブレンドされているという感じだ。
よって歌詞(言語)の響きに慣れてしまえば音楽的にはそれほど違和感もなく、個人的にはかなり楽しめるものだ。
インドの音楽はこれらのフォーマットとヘ全く異なる。個人的には一番のカルチャーショックはこの音楽だった。
インドポップスはあくまでインドの伝統音楽、なんとなく日本の演歌に近い雰囲気はあるのだが、その伝統音楽を西洋楽器を使って表現している音楽である。
そして、基本的には全ての音楽はダンスミュージックである。
インド人は顔が小さく、足が長い。その美しい体型を活かした踊りは決して下手ではない。ダンスの技術的にはかなり高度だとは思うのだが、何かおかしく感じるのだ。
ひとつはその振り付けにある。ヒンズー教の伝統的な踊りは幻想的且つ美しい。これをベースに現代的(西洋的)な要素を融合させたものが、現在のインドポップスの踊りなのだが、この振り付けが何か滑稽(失礼!)なのだ。
極端な言い方をすれば、ラッキィ池田の振り付けを非常にスタイルが良い高度なテクニックをもったダンサーが表現しているという感じだ。
インドポップスは音楽と、ダンスとも世界に例をみない非常に個性的な芸術である。しかしながらインドの方には申し訳ないが、私個人には心に響かなかった。インドポップスよりは変調子連発のインド伝統音楽の方が私の好みだ。食事の際に聞くのが最高だ。
インドにはまる人は、きっとこの音楽を好きになる人なのだろう。
1980年代には、地方から上京した場所が「東京駅」と「上野駅」のいずれかによってそのイメージが二分されていた。当時は東京へ入る新幹線は東海道新幹線しかなかったため、東海・関西地方の太平洋ベルト地帯を中心とした地方は東京駅へ新幹線に乗って到着する。東京駅のイメージとあいまってそこにやってくる人たちの顔も希望に溢れた明るい印象があった。
変わって上野駅といえば東北地方から上京してくる人が多く、当時の暗い上野駅のイメージも手伝ってか何故かそこにいる人たちの表情も暗く印象があった。
という印象が強かった時代は確かにあった。駅もきれいになった今では想像しがたいが。
閑話休題。椎名林檎といえば「初めて完全に想像の世界で創造した」という「歌舞伎町の女王」という初期の名曲がある。
彼女の想像だけの世界でも歌舞伎町ははっきりとした存在を確立しており、それが新宿という街の力を象徴している。僕も大学が新宿区にあったということもあり、初めて接した東京とは新宿の街であるために余計そう感じているのかも知れないが。
椎名林檎は「オリジナルアルバム3枚出したら辞める」と公言していた。プライベートでも山あり谷ありであったが、その公言通り、3枚目のオリジナルアルバム後に「東京事変」というバンドを組んだ。
そのバンドのファーストシングル「群青日和」の歌いだし「新宿は豪雨」というフレーズは椎名林檎という希代のロックアーティストの新たな決意表明に聞こえる。
バンドの首謀者(メンバーのことをこう呼んでいる)が椎名林檎のサポートバンドで、なおかつデビューアルバムから一貫してアレンジを担当している「亀田誠治(B)」も参加しているので、東京事変というバンド名義とはいえ、椎名林檎テイスト満載のアルバムがこの「教育」だ。
デビューアルバム特有の「衝動による表現」に溢れているのは、椎名のデビューアルバム「無罪モラトリアム」に近いテイストだ。
しかし、流石ベテランメンバー揃いのバンドである。悪い意味での青臭さは皆無であり、自らの稚拙さから生まれる緊迫感など微塵もない理想的なデビューアルバムに仕上がっている。ひょっとするとバンド本人達にとっては遠慮している箇所もあるのかも知れないが、聞き手にはそんなことは一切関係ない迫力に溢れている。
以前に椎名林檎と戸川純の比較を書いたことがあったが、このバンドの出現によって戸川純の「ヤプーズ」や「ゲルニカ」を思い出してしまった。やっぱり僕の中ではこの両者の比較は恒久的に続いてしまいそうだ。
CDにはカラオケバージョンも収録されているのだが、これって...。唄というよりはギターが弾けない人が自分オリジナルの斬りネタを披露するためのBGMなのであろうか。
2004/10/30のTVおじゃマンボウに出演してネタを披露していたので、ちょっと書いときます。。
2004/10/30 に斬られた人々
明言はされていないが、恐らく解散してしまったユニット「KIX-S」のシングル中心のベスト盤が、この作品である。#17「また逢える…」がドラマの主題歌としてヒットシングルとなり一般の知名度を上げたのだが、実はこのシングルを発表する前に3枚のアルバムをリリースしており、実はかなりアルバム志向が強いアーティストである。
これはビーイングの先輩である「浜田麻里」の戦略に近く、一過性の慰み物ではないコアなファンを持つアーティストとして成長させたいという製作者の思いなのだろうか。
ということからも、シングルよりもアルバムに名曲が多く、このベスト盤もシングルを中心としながらもアルバムのみのシ曲も網・オており、私のような全CDを所有しているファンから見ても納得できる選曲である。
KIX-Sは「女B'z」という触れ込みのギター&ヴォーカルユニットである。4枚目のアルバム「MOTHER」で、ギターの腕前が一気にあがり、作詞・作曲能力も開花したように思う。1st〜3rdまでは半年に一枚という怒涛のリリースラッシュだったのだが、3rdと4thは一年半ほどのブランクがあり、ここでアーティストとしての地力を向上させたのだと思う。
KIX-Sの一番の魅力は、魅力的なメロディにあると思っている。#4「抱いて・・・抱きしめて」はJ-POP史上に残る傑作ハードポップナンバーだと思うし、#15「Everybody! Shake It Buddy!」の弾けたメロディも素晴らしい。
ベストアルバムということもあり、全曲が名曲なのであるが、これを聴いて気に入った人がいるならば、次は先述の「MOTHER」も是非聴いてもらいたい。(..が、現在廃盤らしい..)
個人的にはZardよりももっと売れてもおかしくなかったユニットなので、解散してしまったのは非常に惜しいのであるが、なんと最近この二人が中心となってK-SEEDというバンドを結成したらしい。「K-SEED」という名前が何となく意味深だが、そんなことはどうでも良い。早くこのバンドの音源に触れたいものだ。
ちなみに初期のアルバムには大黒摩季がコーラスで参加している。
Van Halenの特徴であるファンキーなリズムギターと、"Jump"で聴かせてくれたシンセサイザーによるソフトなサウンドが見事に融合し、Dave Ree Rothでは歌いこなせなかった曲のアイデアを全て具現化した隙のない名盤である。
当時はDave Ree Roth を惜しむ声も少なくは無かったが、私的には代わりにSammy Hagerが加入するということで、アルバムが発表される前からかなり期待をしていた。
実は初めて"Why Can't This Be Love?"を聴いた時はVan Halenの曲としてはかなり違和感を覚えた。この曲が非常に良い曲であることには疑いはなかったが、所謂ヘヴィ・メタル/ハード・ロックとしては過去に例がないような斬新なサウンドがその違和感の原因であったことに気づくまでは暫くの時間を要した。
そんな違和感もアルバムの#4 "Dreams"を聴いた時に全て吹き飛ばされてしまった。
この曲はエディ・ヴァン・ヘイレンの作曲能力とサミー・ヘイガーのメロディ&歌唱力、そしてコンパクトながらいかにもエディというギターソロもあって正にヴァン・ヘイレンの代表曲というにふさわしい超名曲だ。
80年代のロックが好きであるにも関わらず、この曲を聴いたことがないのであれば、この曲を聴くためだけにCDを買っても損はしない。むしろお釣りがくる位。必聴度200%。
結果としてDave Ree Roth在籍時最後の作品となったのだが、このアルバムは第1期最高のセールスを記録した正にバンドを代表する作品にもなったのである。
当時は日本中のキーボードプレーヤーがコピーしたのではないかという非常に有名なシンセのイントロが印象的な"JUMP"だけでなく、現在も代表曲としてライブ演奏される"Panama"、アメリカ人の間違った日本観も垣間見えるビデオクリップが楽しい"Hot for a Teacher"、豪快かつテクニカルな、ギター小僧が固唾を呑む素晴らしいギタープレイが光る"Top Jimmy"等、楽曲も粒揃いだ。
前作の"Diver Down"では日本でも有名で小シングルヒットした"Oh! Pretty woman"を初めとするカバー曲が多かったのだが、ソングライターEdward Van Halen は溜まりに溜まったアイデアを一気に放出したかのようで、素晴らしいオリジナル曲の数々が楽しめる。
(実はSammy Hager を迎えた次作ではさらにバラエティに富んだ楽曲が揃うので、実はこの1984が全開ではなかったという結果論にはなってしまうのだが。)
20年前の作品であるが、今聴いても血が匂い立つ思い出の作品。いや、特にエディのギターリフアレンジはギターを弾く者は一度は聞いておくのが義務だと思う。
このデビュー作"Appetite for Destruction"については文句のつけようがない超傑作である。2枚組みではなく2枚のCDをI,IIとして同時リリースし、チャート1,2位を独占した、次作"Use Your Illusion"も傑作であったが、アルバムとしての完成度、シーンへ与えたインパクトを考えるとデビュー作こそが"ガンズ"最高傑作ということについてはあまり異論はないであろう。
このアルバムはこのメンバーだったからこそこの音になったというべきだ。古くはレノン/マッカートニー、タイラー/ペリー等から氷室/布袋など(余談だが、最近日本のバンドでこういったケミストリーがあるものがないのは残念だ)のようにボーカリストとギタリストのケミストリーがこのアルバムでのアクセル・ローズとスラッシュの間には確かにあった。
実際の人間関係がどうあれ、バンドしてのケミストリーが奇跡的に働いてこのアルバムが産まれたのだと思う。
現在はアクセル・ローズを除いて全てのメンバーが去り、"Chinese Democracy"というアルバムを10年近くもレコーディングし続けている。これをバンドと呼ぶべきかどうかはわからないが、幼い時からの友人で心の支えだった"イジー・ストラドリン"が去り、音楽的なカウンターパートナーであるスラッシュをとも訣別してからのアクセルは精神分裂としか表現できないような言動を繰り返している。
精神が非常に繊細な優れたアーティストは数多い。カリスマかつ王様的な言動が目立つ"リッチー・ブラックモア"や"イングヴェイ・マルムスティーン"も常人の感覚からすれば精神的におかしなところがあるように思えるし、日本ではアルバムタイトルに"神"とまで命名された"マイケル・シェンカー"は、アクセル・ローズに近い精神構造を持っているようだ。Violet UKのレコーディングを何年も続けている元X Japanの"YOSHIKI"もガラスのような精神を持っている。
ボーカル:アクセル・ローズ、ギタリスト:マイケル・シェンカー、ドラム:YOSHIKIという面子でバンドが組めたら一発だけでも非常に優れた作品が残せそうだ。
Contraband : Velvet Revolver CCCDとしては米国初のチャート一位になったらしい。ガンズの名前はまだまだ死なず、といったところか。