デビルマン

by 永井 豪 1974年作品
デビルマン  TVアニメにもなり、Vアニメにもなり、そして実写版で映画化もされてしまった、伝説の名作。オリジナルは単行本5巻、連載期間はわずか1年という短さであるがそこに全てを凝縮して完結させた、永井豪の力量は恐るべきものだ。正に、天才が狂気と才能を一気に放出した結果の作品といえよう。
 未完に終わった「魔王ダンテ」で見せた、悪魔=地球の先住民というアイデアを元に、最後は最終戦争(アーマゲドン)にまで発展した漫画版と、愛のために一族を裏切って人間のために闘うヒーロー物語であるTVアニメ版が同時進行するといスリリングな展開の中、約1年間の伝説は幕を閉じる。
 とにかく漫画版最終回、コミックス第5巻のラストシーンの衝撃がこの作品を伝説化している。リアルタイムでこの連載を読んでいた子供たちが大人になり、クリエータとして世に作品を送り出す立場になった今、多くの作品がこのデビルマンラストシーンを超えるべくもがき苦しんでいる...わかりやすい例では、「新世紀エヴァンゲリオン:まごころを君に」のラストシーンがそれだ。

 実はデビルマンのラストシーンはこれが全てではない。この10数年後に別の作品のラストシーンで予測しえなかった形でリンクするのである。
 その作品とは「バイオレンス・ジャック」。デビルマン終了後に永井豪氏が送り出した世紀末(?)パニック物である。マッド・マックスや北斗の拳よりも何年も前に描かれた作品であるが、デビルマン第5巻で見せた終末的世界と似た世界を舞台とした何でもアリのSFで、永井豪漫画の集大成として、全ての永井作品のキャラクタが登場する作品だ。
 ジャックについてはここでは詳しく触れないが、デビルマンを読んだ方は、是非ジャックもご一読をお薦めする。
| コメント(0)| トラックバック(0)

トラックバック(0)

この記事に対するトラックバックURL: http://www.ymzoo.com/_mt/mt-tb.cgi/267

コメントする

最新コメント

    最新トラックバック