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by Rainbow1978年作品
Long Live Rock 'n' Roll::Rainbow  2010年5月16日、ロニー・ジェイムズ・ディオ(Ronnie James Dio)という偉大なメタルボーカリストが天に召された。享年67歳、還暦を過ぎてもその声は衰えを知らず、年齢を感じさせないパワフルな人間にも終わりの時は等しくやってきた。
Rainbow, Black Sabbath, Dio, Heaven And Hellと、どのバンドでも名曲を残してきたが、「この一枚!」となると私はレインボーの"Long Live Rock 'n' Roll"だ。 歴史的名曲"Kill The King" 一曲だけでも買う価値のあるアルバムなのだが、当然捨て曲はなく中でも"Gates of Babylon" という故コージー・パウエルも非常に好きだという傑作曲が、私は大好きだ。
"Sensitive to Light"のような軽快な曲でもロニーの声の魅力は充分堪能でき、稀代のボーカリストが天才ギタリストと名ドラマーと格闘して産まれた傑作アルバムである。
ロニー・ジェイムズ・ディオの作品で、どうしても触れておきたいのが、「ヘヴィメタル版Band Aid」Hear 'n Aidの"Stars"だ。
オリジナルのアナログ盤もCDも所有しているが(現在はどちらも廃盤。CDは復刻されるかも)、何度聴いてもロニーの歌の上手さが光る。ギターソロの編集等、プロデューサーとしても手腕を発揮した。
世界中のヴォーカリストの目標であり、最期まで誰にも追いつかれることは無かった、神に授かったその声はまた天へと帰っていった。
歌声を聴くと涙が出てしまうが、同じ時代をメタルというキーワードで共有できたことは本当に幸せに思う。
ヘヴィメタル業界にとっての「美空ひばり」のような巨星が逝ってしまったが、"Stars"のタイトル通り彼の歌声は永遠に輝き続ける。
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by Black Tide2008年作品
Light from Above::Black Tide  凄い、凄いバンドだ。リリース後2年近く聴くチャンスを逃していた、自分自身を悔しく思う。
聴くと自然にヘッドバンキングしてしまう1曲目の"Shockwave"をカッコ良いと思わなければ、ハードロック・ヘヴィメタルとの相性はゼロだろう。
そう断言できる豪快な名曲で幕を開け、全11曲徹頭徹尾ハードなロックンロールで突っ走る素晴らしいロックアルバムだ。
ギターが作曲の中心で「こんなリフ作ったけどどうすか?」「カッケー!最高。」というやりとりが想像できるストレートな楽曲とリズム隊のグルーブは流石アメリカ人!と唸ってしまう。
Mー9でメタリカをカバーをしているが、他にもGun's & RosesやVan Halenに代表される80年代のメタルバンドからの影響は至る所で垣間見える。
オリジナリティ云々を唱える人もいるが、自分たちの好きな音楽を素直に形にしただけでネガティブな要素は全く無い。
中にはM-7やM-10、M-11のように所謂"ジャパメタ"っぽい曲もあり、日本人の琴線にふれるコード進行や歌メロも楽しめる。
私なんぞが何を書いても、このバンドの魅力は表現し切れない。
とにかく一度聴いて欲しい、と心から思うバンドであることは間違いない。
発表当時の平均年齢17歳、ボーカルは14歳というデータはおまけ。アルバムを語るに必要無い。現在はボーカルが声変わりしたようだが、ギタリストは益々凄みを増している。
日本の10代バンドマンよ、これが世界、メジャーの実力だ。精進、精進。
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by Dokken2008年作品
lightning strikes again::  dokken  ドッケンなんてそもそもあまり好きなバンドでは無い。
80年代の全盛期に"Under Lock and Key"なんぞは良く聴いてはいたが、ギターソロ意外にのめりこんで聴くようなパートは無かった。
メロディや楽曲の構成が何か中途半端な感じだったのと、何よりもボーカリスト、ドン・ドッケンの声が好きでは無かったのだ。
そんな私がなぜこのアルバムのレビューを書いているのか。その訳は簡単だ。
「良いアルバム」だと感じたから、只それだけだ。
過去の楽曲名をタイトルとしたこの作品は、何でもドッケン最後のアルバムになるらしいのだが、80年代のテイストはそのままにボーカルを含めた全ての要素、楽曲構成・演奏・サウンドプロダクションがグレードアップしている。
1曲目"Standing on the Outside"はリフの構成からしてDokken節全開。ドン・ドッケンとドラムのミック・ブラウン以外のメンバーは売上全盛期とは異なるが、音楽的にはこのメンバーが全盛期と言って良い。
ギターのジョン・レヴィンはジョージ・リンチを崇拝しているらしく、昔のジョージ・リンチを彷彿とさせるギター・リフやソロを散りばめている。
ややバラードが多い気はするが、アルバムラストの2000年代風ヘヴィナンバー"Leave Me Alone"もドン・ドッケンの声にも合っているし、ギターソロもカッコ良く決まっており全く違和感は無い。
単なる80年代懐古ではなく、新しい作品としてもっと評価されるべきアルバムである。私は"Tooth and Nail"や"Under Lock and Key"よりも好きだ。
これで最後というのは少し寂しい。
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by Andrew W. K.2009年作品
Do the Rock  着うたやその派生品であるJ-POPのカバーアルバム(PREMIUM COLLECTION - THE JAPAN COVERS ~一発勝負)等、最近は日本向けの活動が多い「兄貴」ことAndrew W. K.による日本向け企画アルバム。
先述のアルバムで、「哀・戦士」をカバーしたことと、ガンダム30周年に乗っかったという、取り立てて日本アニメファンでも無い兄貴にとってはお遊び企画である。
と侮っていたが、意外に上出来な企画物であるのと、ガンダム30周年に乗っかってここでも取り上げる。
このアルバムは、2006年にZガンダム20周年ということで劇場版が公開されたが、その時の企画物である"風呂嫌いギタリスト、リッチー・コッツェン"の「哀 戦士・Z×R」以来の英語によるガンダムソング集だ。
「哀 戦士・Z×R」はリッチー・コッツェンの、ギタリスト、ボーカリスト、アレンジャーとしての才能と実力をまざまざと見せつけられた名盤であったが、それに比べるとこのアルバムは原曲に忠実なカバー集に思う。
リッチー・コッツェンは歌詞にもこだわっており、オリジナル英語詩の部分にも手を加えており、アメリカ人にとってはより自然な英語表現になっている。
対して、兄貴の方は日本人がオリジナルを英訳した詞をアレンジしたとあって、歌詞の内容やオリジナル英語詞部分もオリジナルのそれに忠実だ。
賛否両論あるだろうが、日本のファンサービスに徹底した兄貴のやり方を私は評価する。
インストやアイキャッチもカバーしており、「Andrew W. K.?なんじゃそれ。」というガンダムヲタのツボも押さえている。
「カバーというよりコピー」という印象も強いのだが、「ALONE IN THE WIND (風にひとりで)」はオリジナリティがあり、原曲よりも私は好きだ。
リッチー・コッツェンの「風にひとりで(こちらは" ALONE AGAINST THE WIND")」はカバーというより、アンサーソングというかオリジナル曲にインスパイアされて作りました、というくらい別ものでリッチーのオリジナル曲と見まごうほどだが、絶品の超名曲に仕上がっている。
井上大輔のオリジナルは名曲「哀・戦士」のカップリングということなのか、劇中での使われ方が地味な(哀愁のある)シーンだったからなのか理由はわからないが私にとっては非常に地味なイメージしかなかった。
リッチーもアンドリューもオリジナル以上に印象的な曲に仕上がっており、逆にオリジナル曲の素晴らしさに気づかされた。
というような新たな気づきもあり、かなり気に入ったアルバムである。
ただ、企画物連発の次はピアノのインストアルバムとのこと、そろそろオリジナルロックアルバムを出して下さいよ、兄貴(ちょうど一回年下だが)。
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by My Chemical Romance 2006年作品
Do the Rock  新たなロックスター降臨。タイトル曲であるM5."Welcome to the Black Parade"の衝撃は並じゃ無かった。
カテゴリはパンクロックになってしまうのだろうが、ジャンルを超えたバンドへと突然変異的な成長を遂げてしまった。#ヘビメタさんで紹介されたこともあるので、メタルにカテゴライズされる場合もあるのだろうが。
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