2009年9月 アーカイブ

by Andrew W. K.2009年作品
Do the Rock  着うたやその派生品であるJ-POPのカバーアルバム(PREMIUM COLLECTION - THE JAPAN COVERS ~一発勝負)等、最近は日本向けの活動が多い「兄貴」ことAndrew W. K.による日本向け企画アルバム。
先述のアルバムで、「哀・戦士」をカバーしたことと、ガンダム30周年に乗っかったという、取り立てて日本アニメファンでも無い兄貴にとってはお遊び企画である。
と侮っていたが、意外に上出来な企画物であるのと、ガンダム30周年に乗っかってここでも取り上げる。
このアルバムは、2006年にZガンダム20周年ということで劇場版が公開されたが、その時の企画物である"風呂嫌いギタリスト、リッチー・コッツェン"の「哀 戦士・Z×R」以来の英語によるガンダムソング集だ。
「哀 戦士・Z×R」はリッチー・コッツェンの、ギタリスト、ボーカリスト、アレンジャーとしての才能と実力をまざまざと見せつけられた名盤であったが、それに比べるとこのアルバムは原曲に忠実なカバー集に思う。
リッチー・コッツェンは歌詞にもこだわっており、オリジナル英語詩の部分にも手を加えており、アメリカ人にとってはより自然な英語表現になっている。
対して、兄貴の方は日本人がオリジナルを英訳した詞をアレンジしたとあって、歌詞の内容やオリジナル英語詞部分もオリジナルのそれに忠実だ。
賛否両論あるだろうが、日本のファンサービスに徹底した兄貴のやり方を私は評価する。
インストやアイキャッチもカバーしており、「Andrew W. K.?なんじゃそれ。」というガンダムヲタのツボも押さえている。
「カバーというよりコピー」という印象も強いのだが、「ALONE IN THE WIND (風にひとりで)」はオリジナリティがあり、原曲よりも私は好きだ。
リッチー・コッツェンの「風にひとりで(こちらは" ALONE AGAINST THE WIND")」はカバーというより、アンサーソングというかオリジナル曲にインスパイアされて作りました、というくらい別ものでリッチーのオリジナル曲と見まごうほどだが、絶品の超名曲に仕上がっている。
井上大輔のオリジナルは名曲「哀・戦士」のカップリングということなのか、劇中での使われ方が地味な(哀愁のある)シーンだったからなのか理由はわからないが私にとっては非常に地味なイメージしかなかった。
リッチーもアンドリューもオリジナル以上に印象的な曲に仕上がっており、逆にオリジナル曲の素晴らしさに気づかされた。
というような新たな気づきもあり、かなり気に入ったアルバムである。
ただ、企画物連発の次はピアノのインストアルバムとのこと、そろそろオリジナルロックアルバムを出して下さいよ、兄貴(ちょうど一回年下だが)。
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