2003年11月 アーカイブ

by BUCK-TICK 1996年作品
COSMOS  バクチクはデビュー以来聴き続けてきたバンドであるので、思い入れが強い。基本的にハズれアルバムはなく、一枚だけ選ぶということが非常に難しい。
悩んだ末「狂った太陽」かこの「コスモス」の2枚に絞込み、さらに悩み抜いてこのアルバムをレビューすることにした。「狂った太陽」も捨てがたいのでまたの機会に取り上げてみたいと思う。
 「悪の華」、「狂った太陽」が人気、売り上げ的にバンド史上の頂点であった。それ以降一時は時代の最先端を行く音楽性(テクノロジー、ミクスチャー的サウンド)を追求し、ポピュラリティを捨てたかのような方向性であったが、この「コスモス」ではポップなバクチクへ戻った。とは言え、単に売れ線を狙ってポップ化したのではなく、それまでの先端サウンドはそのままでポップなメロディと融合させるというウルトラCの離れ業をやってのけている。
 特にシングル曲「キャンディ」は、数多いBUCK-TICK の曲の中でも1,2を争うポップかつ元気な名曲だ。この曲がなければこれほどの名盤には成り得なかっただろう。また、初期BUCK-TICKの色香が漂う「Ash-ra」、アルバムの締めくくりはやっぱこれでしょうという王道の「COSMOS」と名曲目白押しかつ隙がないアルバムに仕上がっている。
 更なる進化を見せながら、一聴すればBUCK-TICKと判る新作「幻想の花」は名曲だ。次回のアルバムも楽しみである。

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