2004年3月 アーカイブ

by Gary Moore 1982年作品
Corridors of Power  音楽は人生を変える。というと大げさだが、人の趣味嗜好へ影響を与える位のパワーを持ってはいると信じている。「人生を変えた一枚」とまではいかなくても、多かれ少なかれ誰にでも心に残る、いやそれ以上の影響を与えてくれた音楽があるのではないだろうか。
 この[Corridors of Power (邦題: 大いなる野望)]は私にとって正に人生観を変えてしまう程のインパクトを持った作品であった。
 この作品との出会いも運命的だった。いくつもの偶然が重なって私はGary Mooreというアーティストの音楽と遭遇したのだ。
 私はその日(当時中3、つまり受験生)名古屋近辺の方々にはわりと有名な「柴田チコ」というDJの夕方の30分番組を何気なく聴いていた。
柴田チコさんの「では、次はギターキッズお待ちかねのGary Mooreの新作です!」という言葉に引き込まれるようにラジカセの録音ボタンを押し、たまたまラジカセに入っていた60分テープにその曲をエアチェックしてた。その時テープが入っていなかったら、録音ボタンを押す気にならなかっとしたら何度も聴きこむことも無かっただろう。もしそうなたっらGary Mooreというアーティストへのめり込むこともなく、ハードロックという音楽へも興味をも持たなかったかも知れない。
 そう考えると30分番組にもかかわらず、この7分近くの大作#6[End of the world]をフルコーラスでオンエアしてくれた柴田チコさん(というかその番組)には今でも感謝している。
 当時の日本は高中正義カシオペア に代表される一大フュージョンブームで、私もそのブームに乗っかってギターに興味を持った。フュージョンギタリストの洗練されたテクニックと音楽こそ最高と思い、彼らのようにギターを弾けるようになることを日夜夢見ていたのだ。
 そんな私のギター感を根底から覆してしまったのが、この[End of the world]イントロのギターソロである。
2分近く続く、ハードかつトリッキーな速弾きギターは「世の中にこんなギターの弾き方があるのか!」という後頭部をガツンとやられたような衝撃を与えた。そして異常なテンションを持ったメロディとアレンジにも完全にKOされてしまい、これ以降Hard Rock/ Heavy Metalの世界へのめりこんでいくことになった。  多くのハードロックアルバムを聴いてきたが、自分に対するインパクトという点ではこのアルバムを超えるものはない。#6以外にも#2[Always Gonna Love You]の背筋がゾクッとするようなギターソロや超ハイテンポのロックンロールチューン#7[Rockin' Every Night]等聴き所満載である。
 #5[Falling In Love With You]のバージョンがいくつか存在し、US版では非常にお洒落なAOR的なアレンジになっているが、オリジナルUK版日本版に収録されているバージョンの方がブルージーです。現在のブルース路線にも繋がるところがあり、私的にはオリジナル版がおすすめです。

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