by チュンソフト 1998年作品
街〜運命の交差点〜 サウンドノベル・エボリューション3
 スーパーファミコンで「弟切草」が発表されたのは、もう10年以上前になる。新たなゲームジャンルを開拓した野心作であり、未だに根強いファンがいる作品である。脚本を担当した長坂秀佳氏は、古くは「怪傑ズバット」や「キカイダー」といった東映特撮を担当し、東映時代劇や刑事物の脚本でも有名な作家である。「弟切草」は長坂氏にとっても新しい分野への挑戦作品であり、その後小説化、映画化もされて、氏の代表作の一つとなった。
 この「街」という作品も長坂氏の脚本によるものであり、この脚本が「街」という作品の魅力の全てといってよいほど卓越したものである。ゲーム製作のチュンソフトはあの「ドラゴンクエスト」のメインプログラマーだった中村氏が興した会社である。「弟切草」以降、サウンド・ノベルというジャンルの第一人者として優れたゲーム作品を送り出しているが、この「街」は全てのサウンドノベルソフトの頂点に位置する作品だと思う。
 脚本も「弟切草」の経験を踏まえた上で、ゲームとしてのシナリオ作りが格段に進歩しているし、これだけ複雑なザッピングシステムをユーザーがついていける範囲できっちり纏め上げるゲームプロデュース力もさすがである。
 オリジナル版で実写を使った映像に対しての批判もあった。後に移植されたPS版では実写の変わりにイラスト(?)を使ったモードが付け加えられたりしたのだが、筆者個人としては、実写の映像に対する批判そのものが全く理解できないので、このゲームに関しては減点の対象は全くない。強いてあげれば出演している俳優さん達の個人的な好き嫌いがある位か。100点差し上げたい。
 マニア的な情報としては若き日の窪塚洋介がチョイ役で出演している。たけし軍団のダンカンは主役としてなかなか良い演技をしていると思う。「ビートたけし殺人事件」での学芸会のような演技と比べると格段の進歩だ。
 筆者のお気に入りストーリーは外人部隊の話...ではなくこのストーリーに深くからんだ隠しストーリーだ。細かいザッピングが無い分、長坂氏にはお手の物というストーリーかも知れないが。好きなキャラクタは「日曜日」。久野真紀子という女優さんにぴったりハマっている。
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