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2003年11月 アーカイブ
by 北方謙三 2001年作品

歴史小説は絶対に変えることの出来ない史実に基づいており、読者もともすれば予定調和的な予備知識を持って接してしまいがちである。結果がわかっている物語をどのように読ませるか、が数ある三国志小説での命題かと思うが、この点で北方氏は実にうまい。
寝返りや裏切りという事実が変えられないのであれば、その理由や経緯をいかに脚色し更に物語全体に矛盾が起きないようにする。こういった手法で、非常に有名なキャラクターに新たな命を与えるように、北方三国志は進む。 顕著なのは呂布の書かれ方なのだが、この三国志では劉備が結構したたかで計算高い男として書かれている。
三国志 四の巻 列肆の星の続きを読む