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経済ってそういうことだったのか会議 : 佐藤 雅彦 / 竹中 平蔵

経済ってそういうことだったのか会議 : 佐藤 雅彦 / 竹中 平蔵  かのホリエモンこと堀江貴文さんの愛読書でもある本書は、中高校での社会科の授業でサブテキストとして利用して欲しい書である。
個人的には「もっと早くに読んでおくべきだった」書でもあるが、だからといってこれから読んでも価値が下がるということではない。未読の方には是非一読して欲しい名著である。

大臣、政治家になる以前の竹中 平蔵と、天才広告屋の佐藤 雅彦による会議とい形式をとって、経済、お金の動きを実にわかりやすく説明している。
広告クリエイターという職業柄、佐藤氏の聞き手としての日本語の扱い方は抜群である。なおかつ、東大卒という高学歴なエリートでもあるので、「経済のことは全然知らない」と謙遜しながらも一般人のはるか上を行く知識を、一般人より半歩進んだ位置でうまく使いこなしており非常に快適に読み進めることができた。

「株は人気投票」、「会社は株主の物」などライブドアの堀江社長語録の出展は全て竹中氏ではないのかと思わせるような刺激的な言葉も多い。
小泉首相、竹中大臣による構造改革の基盤となっている考え方は、この書に全て書かれている。
一家に一冊。「大企業の部長より、中小企業の経営者」は私の心に響く言葉だ。

小泉内閣の進めてきた構造改革のキーマンは間違いなく竹中平蔵である。
既得権を侵害されることを極端に恐れる政治家や経営者からの批判の矢面に立たされている昨今であるが、郵政民営化をはじめとする多くの改革事業について何もアメリカの圧力に屈した訳でも、小泉首相の執念の手伝いをしている訳でも、単なる瞬間的な思いつきでもなく、経済学者として長年に渡って研究し提言し続けてきた理念の実践に他ならない。

私個人はゼネコン関係者でもなく、郵政に携わっているわけでもない、ただの消費者であるので生活がよくなれば政策は評価する。数年に渡る「痛みを伴う改革」においても、特に痛みを味わっていない人間であるため、竹中氏の経済理念は実に正論であると支持する改革推進派である。
義理と人情の政治の世界で長年生きてきた人たちにとってみれば、学者の机上の論理など取るに足らないものでしかないのだろうが、物作りが産業の中心ではもはやない日本にとっては当面米国式の成功ケースを取り入れることでアメリカ並みの豊かさを保つしか無いだろう。

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