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三国志 二の巻 参旗の星

by 北方謙三 2001年作品
三国志 二の巻  北方三国志初期の主人公は呂布ではないのかと思える。この第2巻では、暴虐の限りを尽くす董卓と、それに姦計を図る王允というおなじみのプロットから始まる。
しかし、北方三国志では貂蝉を使った策略ではなく、呂布の妻、「瑶」を利用した策になっている。また、王允も国を憂いての行為ではなく、己の政治への野望による行動として書かれている。
 ここでの呂布は年上の妻への一途な愛情故に丁原や董卓を殺した男として、これまでの呂布像を一新するような美しく孤高の男として描かれている。
 また、曹操と青洲黄巾軍との戦いも面白い。青洲黄巾軍100万に対し、僅か3万の兵力で決死の戦いを挑む曹操。ここでは荀�ケと黄巾軍との交渉が最大の見せ場になる。
北方三国志の特色が色濃く出ている一巻。
 「黒きけもの」がついに登場する。これは呂布の騎馬隊を表現したものでるが、永井豪の「バイオレンスジャック」における、スラムキング軍ドラゴン騎馬隊の表現に似ている。永井豪は、ドラゴン騎馬隊を一匹の竜として描き、バイオレンスジャックとの戦いで敗れる様は、竜の頭をジャックが仕留めるという表現法を使っている。
 また、呂布が赤兎馬に乗っている画は、北斗の拳でラオウが黒王号に乗っている画と重なってしまう。この北方三国志が劇画化された折には、是非「原哲夫」氏に描いてもらいたいと切望する。

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