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コメディ:ソープオペラ

by 沖 雅也 2001年作品
少林サッカー  「運が悪けりゃ死ぬだけさ」というフレーズはつらい時や、落ち込んだ時に助けてくれる、私にとっての「小さな呪文(by YUKI ex. J.A.M)」である。この名フレーズ(?)を産み出したのがこの「俺たちは天使だ!」である。
 この番組が放映された1979年、私は小学6年生だった。思春期に入りかけだがまだ声変わりも始まっていない子供という、人生のうちで最も怪しい時期にこの番組を見てしまった私たち(つまり私と同世代)は怪しいままに大人になってしまった。
何しろ、「太陽にほえろ!」や「大都会」(クリスタルキングの曲ではない)等ハードかつ、派手なドンパチが主流だった70年代刑事・探偵ドラマ界で、この手の軽いコメディ風のドラマは非常に斬新で新鮮なインパクトを私たちに与えたのだ。79年という80年代一歩手前という時期も微妙な感じで、トレンディドラマが主流になる80年代TVドラマグループへもカテゴライズされないし、先述の70年代ハードドラマの仲間でもないということもあり、ある意味では突出した記憶を残してくれたドラマなのだ。

 "沖 雅也"演じる"キャップ(CAP)こと麻生雅人"がこの物語の主人公である。元警察官で現在は月収200万円を目標に麻生探偵事務所を運営している私立探偵、という役柄だ。事務所の他メンバーは"柴田 恭平"演ずる"ダーツ"、"神田 正輝"演ずる"JUN"、"渡辺 篤史"演ずる"ナビ"、事務所の受付嬢YOKOに"多岐川 祐美"、その兄で弁護士役には"小野寺 昭"、他にも"江守 徹"、"勝野 洋"、"下川 辰平"といった豪華キャストがレギュラーに名を連ねる。

ストーリーは、毎回依頼を受けて活動する天使たち(探偵さん)が、依頼とは全く無関係であるはずの事件を追う刑事達とクロスしてドタバタがあった挙句に「今週もまた赤字」となるパターンである。ドラマのセリフでダーツ自らが言うようにV.S.O.P(Very Special One Pattern: 死語。当時はこのタイトルを持つレコードもリリースされた記憶がある)ではあるが、カタルシスがあるわけでもなく、お涙頂戴でもないエンディングのノリは80年代の軽さを予見させるものであった。

最終回のラストシーン、一人一億円を手にした麻生探偵事務所のメンバーはそれぞれの夢を実現させるために別れる。別れの前に記念写真を撮るのだが、それはこれまで見続けてきたオープニングのシーンと同じもので、初めてそれ(オープニング)が別れのシーンであったと理解できる。結局CAPだけは一億円の使い道を明かさないまま終わってしまうのだが、ラストに流れる「運がよければまたいつか」というキャプションにパート�Uが製作されることを期待してしまった。
結局パート�Uは作られることも無く数年が過ぎ、主演の"沖 雅也"氏の死という事件によってがこの期待が完全に終わったと告げられた気がした。

ストーリーなどの詳細はhttp://www.vap.co.jp/oreten/main.htmlをご覧下さい。これより詳しいWebサイトは現在存在しないかとおもいます。

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by ジェニファー・アニストン 2001年作品
フレンズ II ― セカンド・シーズン 1994年に放映開始以来、高視聴率を維持しつづけた90年代後半の全米テレビ界を代表するシットコッムである。2世タレントで、日本ではあのブラッド・ピットの奥様としても有名なレイチェル役のジェニファー・アニストンは95年の米国People誌でPeople of the year にも選ばれている。
 個人的には95年から米国に住むことになったため、このセカンド・シーズン位からはリアルタイムで見ることが出来た。このDVDのDisk6に収められている第21話 : ソファーはゆずれない! (原題:The One With The Bullies)は特にお気に入りのエピソードで、初めて見たときは正直テレビの前でひっくり返った。
 そのシーンとはCM明けのオーラス(2段落ち)の部分にて、モニカ(コートニー・コックス)がバイト先のコスチュームカフェで踊るシーンである。曲はヴィレッジ・ピープルの「Y.M.C.A」。西城秀樹のヤングマン原曲としても日本では有名だ。
 何が驚きだったかというと、その振りが秀樹の「Y.M.C.A」のパクり(というよりマンマ)だったことだ。私は小学生のとき、リアルタイでヴィレッジ・ピープルも秀樹もテレビで見ていたが、オリジナルのヴィレッジ・ピープルにはこの振りは無かった。来日した彼らが秀樹の振りをみてそれを気に入り、逆輸入の形で、米国でも展開したという噂は聞いていたが、その証拠を全米視聴率トップのコメディで見られるとは..
 当時、異国の地で不安が多かった私を勇気付けたエピソードとして私は忘れることはないだろう。
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