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Appetite for Destruction :: Guns N' Roses

by ガンズ アンド ローゼス 1987年作品
Appetite for Destruction  1980年代は世界中でヘビーメタルがメインストリームに躍り出た、メタル好きとしては黄金時代だった。所謂ヘアバンドからベテランの再生まで含めて有象無象のメタルバンドが各国のチャートを賑わした。
このムーブメントはその中心となった都市の名前からL.A.メタルと呼ばれていたが、そのL.A.(ロス・アンジェルス)からムーブメント末期に登場したのが、L.A.の退廃の匂いを漂わせたこのバンド、"ガンズ・アンド・ローゼス"だ。

 このデビュー作"Appetite for Destruction"については文句のつけようがない超傑作である。2枚組みではなく2枚のCDをI,IIとして同時リリースし、チャート1,2位を独占した、次作"Use Your Illusion"も傑作であったが、アルバムとしての完成度、シーンへ与えたインパクトを考えるとデビュー作こそが"ガンズ"最高傑作ということについてはあまり異論はないであろう。

 このアルバムはこのメンバーだったからこそこの音になったというべきだ。古くはレノン/マッカートニー、タイラー/ペリー等から氷室/布袋など(余談だが、最近日本のバンドでこういったケミストリーがあるものがないのは残念だ)のようにボーカリストとギタリストのケミストリーがこのアルバムでのアクセル・ローズとスラッシュの間には確かにあった。
実際の人間関係がどうあれ、バンドしてのケミストリーが奇跡的に働いてこのアルバムが産まれたのだと思う。

 現在はアクセル・ローズを除いて全てのメンバーが去り、"Chinese Democracy"というアルバムを10年近くもレコーディングし続けている。これをバンドと呼ぶべきかどうかはわからないが、幼い時からの友人で心の支えだった"イジー・ストラドリン"が去り、音楽的なカウンターパートナーであるスラッシュをとも訣別してからのアクセルは精神分裂としか表現できないような言動を繰り返している。
 精神が非常に繊細な優れたアーティストは数多い。カリスマかつ王様的な言動が目立つ"リッチー・ブラックモア"や"イングヴェイ・マルムスティーン"も常人の感覚からすれば精神的におかしなところがあるように思えるし、日本ではアルバムタイトルに""とまで命名された"マイケル・シェンカー"は、アクセル・ローズに近い精神構造を持っているようだ。Violet UKのレコーディングを何年も続けている元X Japanの"YOSHIKI"もガラスのような精神を持っている。
 ボーカル:アクセル・ローズ、ギタリスト:マイケル・シェンカー、ドラム:YOSHIKIという面子でバンドが組めたら一発だけでも非常に優れた作品が残せそうだ。

  Contraband : Velvet Revolver CCCDとしては米国初のチャート一位になったらしい。ガンズの名前はまだまだ死なず、といったところか。


  1. Welcome To The Jungle

  2.  イントロのギターからして何かを感じさせる。緊張感のある出だしから、ファンキーなリフへのつなぎ方は見事。跳ねるリズムがこれほど決まる新人ハードロックバンドは早々いない。アクセル・ローズの存在感あるボーカルも見事。恐れ入りました。
  3. It's So Easy

  4.  #1 とはうって代わって、低音ボーカルが感じのロックンロール。けだるい感じを出しながらも、決してタイトさを失わないバンドのまとまりも特筆すべき点である。
  5. Nightrain

  6.  サビの歌い回しが大好きな一曲。歌詞も好きなのだが。実はこのアルバムで一番好きなハードロックというかヘビーメタルナンバーである。
  7. Out Ta Get Me

  8.  イントロは非常に硬派なロックナンバーだが、ブリッジ、サビのフックが非常にキャッチーである。文字で書くとシンプルだがこういった曲を作るのが一番難しいはず。さすが。
  9. Mr. Brownstone

  10.  この曲ではアクセルの声質がまたちょっと違った感じで"七色の声"と言わしめている証拠である。この曲もブリッジとサビのメロディが良い。
  11. Paradise City

  12.  "Take me down to the Paradise City 〜"というメロディが非常に耳に残る名曲。いかにもアメリカン・ロックというテイストが満載だがラストの異常なハイテンションっぷりがガンズらしい。
  13. My Michelle

  14.  バラード風のイントロがちょっとドロドロした感じがある。しかしリフが始まるとあとはガンズ節で押し切る佳曲。いや、ホントかっこいいリフです。
  15. Think About You

  16.  おそらくベースのダフの趣味だと思うがパンクテイストが感じられるハードロック。とはいえ、曲の展開やメロディに必ずフックがあるというのがガンズ・テイストだ。
  17. Sweet Child O' Mine

  18.  これはもはや ever green といえる名曲。イントロのギターは当時のギターキッズがこぞってコピーしたものだ。ついでに日本のKIX-Sでもパクられていた。(彼女たちの場合は確信犯的流用であるが)実は長い曲なのだが、全く飽きることなく聴き入ってしまう。やはりアクセル/スラッシュのコンビは凄い。
  19. You're Crazy

  20.  これもパンキッシュなスピードナンバー。キャッチーなメロディは今ならメロコア風といわれてしまいそう。ギターのカッティングが非常にかっこよい。自分でもコピーしたくなりますよ、これ聴けば。
  21. Anything Goes

  22.  かっこいいイントロリフ、フックの効いたブリッジ、キャッチーなサビと評価してしまうと全曲同じ文章になってしまうのだが、この曲は正にこのフォーマットがぴったりな曲である。ギターソロの掛け合いがいいね。
  23. Rocket Queen

  24.  Rocket Queenというタイトルからしてセンスにあふれている。ガンズアンドローゼスを語る上で避けて通ることができない名曲であるが、恐らく日本人よりはアメリカ人にウケる曲ではないだろうか。エンディングで雰囲気が一変するのはデレク・アンド・ドミノスの"Layla"っぽいです。
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