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30-35 vol.1「もう一回、バンドやろうぜ!」

by オムニバス 2005年作品
30-35 vol.1「もう一回、バンドやろうぜ!」  平成初期に”バンドブーム”というムーブメントが存在した。学生がアマチュアバンドをやること自体は、おそらく50年以上前から今日まで続いている文化だと思うのだが、このバンドブームではアマチュアバンド、アマチュアの音楽が商業として成り立った。言い換えればプロとは別の商品として金儲けの対象として存在したということだ。
 BOOWY解散後の1988年〜1992年位がこの時期にあたり、特に89-90年は「イカ天」によってブームは頂点を極めた。その名もずばり「バンドやろうぜ!」という雑誌が存在し、全国各地でバンド間交流、メンバー集めが活発に行われたのだ。

 その時期に学生時代を過ごし、少なからずバンド活動を体験した人々にとって、この「もう一回、バンドやろうぜ!」というタイトルは見事にストライクゾーンを捕らえたかと思う。
タイトルだけで、大体の選曲が想像できるというすばらしい企画物であり、30歳から35歳の人だけでなく、29歳や36歳の人でも十分楽しめるとおもう。
だが、やはり「30-35」というのは企画者の拘りあってのものだと思うし、36-40はバブル経験者かつジャパメタ経験者でもあるので... 26-30はやはりJ-POP世代だろうし。

 非常に楽しめるCDなのであるが、個人的にはブルーハーツが入っていないのは納得出来ない。ジュンスカ、アンジー、おまけにカステラというブルーハーツ・フォロワーに加えてTMネットワークや、ハウンド・ドッグというバンドブームとは別の形で存在していたメジャーアーティストまで入っているというのに...

 アルバム・ラストの「ヘチマ・ライダー」は最高だ。個人的には現在のところ2005年ベスト・チューン。


  1. プロローグ

  2.  DJ
  3. 大迷惑 - [ユニコーン]

  4.  奥田民生によるブームを代表するバンド。代表曲というとカラオケを含め何故かこの「大迷惑」となるのだが、個人的には坂上二郎さんがボーカルをつとめた「デーゲーム」の印象が強い。
  5. すてきな夜空 - [JUN SKY WALKER(S)]

  6.  ユニコーンと人気を2分した「ジュンスカ」。ボーカルの唱法や、わかりやすいメロディからどうしても「ブルーハーツ」の二番煎じと思えてしまうのは私だけ?いや、いいバンドとは思いますが…
  7. GLORIA - [ZIGGY]

  8.  ドラマの主題歌として大ヒットしたナンバー。いい曲ですよ実際。現在もBURRN!の幅女史に代表される熱烈なファンに支えられて活動してます。意外に知られていませんが早稲田大学出身で、実は私は学生時代にちょこっと会ったことがあったりする。この曲以外にもキャッチーなロックナンバーが多く、もっと商業的に成功して良いバンドだと思うので、現在進行形の音にも是非触れて欲しい。
  9. Dear Friends - [パーソンズ]

  10.  アマチュア時代からファンの間では人気があった曲で、満を持してシングルカットされた曲だったと思う。ギターの音色が非常に特徴的で、アマチュアのみならず、プロのギタリストの間でもギターサウンドは話題になった。これは名曲。
  11. JUST ONE MORE KISS - [BUCK-TICK]

  12.  バクチクというバンドをはじめて見たのは「ザ・ベストテン」というTBSの伝説的テレビ番組内での「今週のスポットライト」というコーナーだった。直立不動でこの「JUST ONE MORE KISS」を歌う櫻井が無茶苦茶かっこよかった。Bメロの「天使のざわめき、悪魔の囁き〜」というメロディも衝撃的で、これ以来私は彼らの音源をすべて揃えるほどのファンとなった。確かCMで使われていたはず。
  13. フレンズ 〜remixed edition〜 - [レベッカ]

  14.  これもドラマの主題歌で「レベッカ」の名を一般に広めた代表曲。個人的には「Lonely Butterfly」の方がが百万倍好きなのだが。未だにカラオケでの人気も高い。
  15. 故郷だより

  16.  DJ。
  17. DIAMONDS<ダイアモンド> - [プリンセス プリンセス]

  18.  1988年間CD売り上げ1位にもなった大ヒット曲。80年代半ばに「赤坂小町」というアイドルバンドがオーディションによって結成されたのだが、アイドル路線に失敗して自分たちの好きな音楽を演るというコンセプトで「プリプリ」として再生した。 SHOW−YAの妹分みたいな扱いだったが、立派にガールズバンドのみならず、一時期の日本の音楽シーンの頂点に立った。やっぱりこの曲の出来は突き抜けており、その後この曲の幻影から逃れられなかったのは残念。いや、多分この曲が書けたこと自体は幸福なのだろうが。
  19. 星のラブレター - [ザ・ブーム]

  20.  これは嬉しい選曲だった。ザ・ブームといえば「島唄」というイメージが強すぎるのだが、実際には彼らもストリート出身で、十分にバンドブーム真っ只中にいた。「島唄」しか知らない人には是非聴いてもらいたい。
  21. ZOO - [エコーズ]

  22.  辻仁成という人間は、作家、もしくは中山美穂の旦那ということで有名だが、実はバンドマンだった。とはいえ、個人的に「エコーズ」やこの「Zoo」という曲の印象は低い。割と他のオムニバス盤にも収録されている曲なのだが、バンド以外での成功による話題性のためなのだろうか。
  23. GET WILD - [TM NETWORK]

  24.  実はTMはリアルタイムでは殆ど聴いていない。もちろんヒットメーカーであったし、その後の小室哲哉の活躍によりTMNの曲自体は嫌でも耳にするのだが、きちんと聴いたのはこのCDが初めてだった。感想としては「かなりかっこいいじゃん!」だ。食わず嫌いならず聴かず嫌いだったのに気がついただけでも私には価値あるCDだ。いや、小室的に言うなら「完成された商品」です。参りました。
  25. ff (フォルティシモ) - [ハウンドドッグ]

  26.  CMソングとして大ヒットし、解散説もあったハウンドドッグを一気にブレークさせた名曲。いい曲であるのは間違いないが、なぜこのCDに入っているのだ?
  27. 練習スタジオにて

  28.  DJ
  29. ビデオ買ってよ - [カステラ]

  30.  早稲田大学のアイドルアマチュアバンド。これぞバンドブームの落とし子ですね。
  31. 天井裏から愛を込めて - [アンジー]

  32.  パンクとしては音がまとまりすぎ(って別にけなしている訳では無い)だが、ボーカルの説得力、歌詞の素晴らしさと、ブルーハーツと比較されるのは承知で自分たちのスタイルを築き上げたバンド。
  33. パヤパヤ - [LA-PPISCH]

  34.  縦ノリ全盛のバンドブームの中で、ブラスを旨く使ったお洒落なバンドというイメージがある。とはいえかなりの人気者だったが。
  35. 限界LOVERS - [SHOW-YA]

  36.  2NDアルバムの「STOP!」という曲が気に入って、割と良く聴いていたバンド。いまいちぱっとしない状況を打開すべく出した、秋元康による「その後で殺したい」という曲にはボーカルの寺田恵子はかなり抵抗があったらしい。かなりポップ化したその後、おそらくギタリストの趣味だと思うのだが、ヘビメタ路線のこの曲が大ヒットし、同じくメタル満開の「私は嵐」も大ヒットした。やっぱり好きなことを、思いっきりやるといい結果に繋がるという見本。ボーカルがアメリカ人に代わってからは音沙汰なし...
  37. 紅 - [X]

  38.  Xといえば紅。そういっても異論を唱えるファンはそれほど多くないのではなかろうか。Helloween的なメロディック・スラッシュというか、かなりハードコア・パンクの影響もあると思うが、この曲が日本のヒットチャートに登場したのは、アメリカでメタリカがチャートの20位以内に入ったときと同じくらい衝撃だった。「メジャーを変える」の言葉通り、ロックスター街道を突き進んだYOSHIKIという人間は日本の音楽史に残る傑人だ。
  39. ヘチマ・ライダー - [ヘチマコネクションズ]

  40.  XのギタリストだったPATAも参加した、一発撮りのロックナンバー。以外にボーカルが旨いのでコミックバンドにはならず、サビも耳に残る傑作だと思う。やっぱりプロの遊びはケタが違うわ。
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