インド音楽と私

はじめに、現在のインドポップスを簡単に説明すると、インドの伝統音楽(メロディ)と西洋音楽のアレンジ(楽器)の融合体といえる。
韓国、タイ、中国(香港)、シンガポール等アジア諸国のポップスは、私が聞いた限り日本のそれに近い。言い換えればあくまで西洋音楽のフォーマットに、各国固有のメロディがブレンドされているという感じだ。
よって歌詞(言語)の響きに慣れてしまえば音楽的にはそれほど違和感もなく、個人的にはかなり楽しめるものだ。
インドの音楽はこれらのフォーマットとヘ全く異なる。個人的には一番のカルチャーショックはこの音楽だった。
インドポップスはあくまでインドの伝統音楽、なんとなく日本の演歌に近い雰囲気はあるのだが、その伝統音楽を西洋楽器を使って表現している音楽である。
そして、基本的には全ての音楽はダンスミュージックである。
インド人は顔が小さく、足が長い。その美しい体型を活かした踊りは決して下手ではない。ダンスの技術的にはかなり高度だとは思うのだが、何かおかしく感じるのだ。
ひとつはその振り付けにある。ヒンズー教の伝統的な踊りは幻想的且つ美しい。これをベースに現代的(西洋的)な要素を融合させたものが、現在のインドポップスの踊りなのだが、この振り付けが何か滑稽(失礼!)なのだ。
極端な言い方をすれば、ラッキィ池田の振り付けを非常にスタイルが良い高度なテクニックをもったダンサーが表現しているという感じだ。
インドポップスは音楽と、ダンスとも世界に例をみない非常に個性的な芸術である。しかしながらインドの方には申し訳ないが、私個人には心に響かなかった。インドポップスよりは変調子連発のインド伝統音楽の方が私の好みだ。食事の際に聞くのが最高だ。
インドにはまる人は、きっとこの音楽を好きになる人なのだろう。
私の中だけでのインド音楽
楽曲紹介隣の印度人 【戸川 純】
知る人ぞ知る80年代J・POP史上屈指の名曲。このコラムでも玉姫様で紹介した。ラジャ・マハラジャ【戸川 純】
実は戸川純ファンの間でもあまり知られていないが、NHKみんなのうたで流れていたので戸川マニア以外で知られていたりする。私も朝の登校前によくNHKラジオから耳にした曲だ。日本印度化計画 【筋肉少女帯】
大槻ケンジの「カレーを毎日食べたい」という欲望から、日本をインドにしてしまおうという壮大な計画を唄った曲。Kashmir 【Led Zeppelin】
タイトルがずばり「カシミール」。インドのカシミール地方のことを歌っていると思っていたが、実はモロッコから見る情景にインスパイアされたらしい。音楽的にもインドというよりは中近東風の曲だ。The Inner Light 【The Beatles】
ビートルズとはいえシングルのB面だった(と思う)ので、一般的にはあまり知られていないかも知れない。ジョージ・ハリスンのインド趣味全開の曲で、全編インドサウンド。でもあくまでビートルズであるためメロディはポップで聴きやすい。発表当時は斬新なサウンドだったのだろうが、今となっては”普通”のインド風ロック。
インド人には申し訳ないが、私のインド人へのある種の偏見、というか先入観はこの曲によって植え付けられてしまった。 ターバンを巻いているのは宗教上の理由。実際にはごく一部の人たちだけが装着している。
このコラムでは幾度も"椎名林檎 - 戸川 純"という話題に触れていたが、同じ感性(恐らく年齢も近い)を持つ方がいらっしゃいました。嬉しいですね。
マハラジャがお后探しをするという内容で、メロディはポップだがアレンジがインドっぽい。まあ、日本人がイメージするインド音楽アレンジではあるが。
インドではCDショップでもインド音楽ばかりかかっているが、この曲みたく日本人が好きなインド風音楽は皆無だ。
プロモーションビデオでは"日本の"カレーを食べまくっていたのが懐かしい。
しかし、ツェッペリンというバンドを語るのにインド音楽は避けて通れない。ジミー・ペイジのアジア趣味、ロバート・プラントに至ってはインド人女性と結婚もしている。
先人のビートルズもインド音楽との関係で有名であり、それとの比較を避けるためにあからさまにシタールを使ったりしていないのだが、ジミー・ペイジ天性のセンスはジョージ・ハリスンとは比較にならない。
文化的にはロバート・プラントが一番傾倒していたと思うが。
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